飲食チェーン店、衛生管理

チェーン店シリーズ

飲食店において衛生管理は、多くのお客さまに信用をしてもらえるための最低限の項目です。一度信用を失うと、信用回復には時間がかかるばかりか、最悪の場合店舗が潰れてしまう事になります。今回は、店舗でどのように衛生管理をしているのかを紹介したいと思います。

見た目の部分

お客様の目線から見た店舗が、清掃が行き届いている状態を維持しているかといったところになります。主に以下の項目になると思います。

  • 駐車場
  • 店舗入り口
  • トイレ
  • 待ち関
  • 店舗通路
  • 客席
  • 窓

駐車場

まず、駐車場が雑草で一杯ならば、そこは害虫の住処になっている可能性があり、店舗に入ってきてしまう事が考えられるので早急に対処しましょう。手作業で刈る事が出来るならば、刈った後に除草剤をまいたりして、今後の雑草が育ちにくいようにするのがいいかと思います。

次に、お客さまや近隣の住人によるごみの放置です。店舗の責任ではないにしろ、店舗の敷地にゴミを捨てていくモラルの欠如した人は一定数います。目の前で見つければ注意も出来ますが、殆どの場合は知らない間に捨てられていることが多く、生ごみはカラスや野良猫に食い漁られると近所迷惑になり、地域の住民とも揉める原因となるので対応せざる得ません。

店舗入り口

店舗の顔としての役割を持つ場所になります。店舗に限らず自宅の玄関が汚いとあまり良いイメージは湧かないもので、この家は汚いと思いませんか?同様に店舗に来るお客様も同じだと思います。

扉の窓が手垢やセロテープの跡がついている。自動扉のレール部分に小石や砂が積もっている。天井に蜘蛛の巣がある。電球に埃が積もっているなどが多くみられるところです。

トイレ

店舗のトイレは、自宅のトイレとは違い、不特定多数の人が利用します。自宅のトイレは日常的に家族が使うのでそこまで気にはしないとは思いますが、外のトイレは誰が使ったか分からない事もありペーパーや便座を消毒するためのアルコール液、便器の状態などを確認しなければなりません。私の店舗でも、1~2時間おきにトイレチェックを実施しています。

待ち席

ここは、客席が満席の場合に来店したお客様に待ってもらう場所です。店舗入り口のレジ前にあるのがほとんどです。混みあってくると、小さなお子様連れのお客さまだと、お子様が待つことに慣れていないので、いろんなところを触れてしまいます。中には、売店のおもちゃをなめたりしてしまう事もあるので、ここも気を遣うところになります。

後は、待っている間にメニューを見てもらうのですが、メニューも多くの人の手に触れるので、メニューのふき取りも行います。

店舗通路

ここは、従業員やお客様が使用するところで、人の往来が多いい所です。雨の日などは、お客様が滑らないようにモップ掛けしたり、ドリンクバーの近くでは飲み物をこぼした時には素早く処理しないと通路がベタベタになり、通路が汚れる原因になってしまいます。

客席、窓

お客様が食事をするところで、テーブルにはメニュー立て、調味料などがあります。お客さまから多く指摘を受けるのは、メニュー立ての土台の部分が汚れている、調味料のそこが汚いなといった声が多いいので、テーブルを片付ける時にはここも清掃しなくてはなりません。窓際の席だと、小さなお子様が窓を触る事があるので、そこも注意するポイントになります。後はポスターなどの販促物が窓に貼ってある店舗は、剥がれていたり、貼ってあった跡が残るのも注意しなくてはなりません。

食事を済ませたお客様が料理を落としたままにして、それに気づかずに次のお客様を案内してしまうと、不快な思いをさせてしまうので、ここも注意しなくてはなりません。

見えない部分

ここは、主にキッチンや従業員、食材の管理についてになります。飲食店で一番恐れている事は、食中毒とアレルギーだと思います。

  • 調理器具の取り扱い
  • 作業の変わり目の消毒
  • 食材の管理
  • 従業員の健康管理
  • HACCP(ハサップ)による管理

調理器具の取り扱い

肉や魚の処理をするのに同じ包丁やまな板を使用しない。アレルギー食材の調理や盛り付けに使用したトングや箸は使用後にすぐに洗浄する。そばと他の麺類は同じお湯でゆでない。食材を保管する容器は一度消毒をしてから使用する。

以上のことは、最低限店舗で行われている事ですが、これよりも厳しい管理をしている店舗も多くあります。それでも発生してしまうのも現実ですが、お客様に安心して食事をしてもらうために見えない努力はしています。

作業の変わり目の消毒

キッチンにもポジションがあり、揚げ物、焼き物、煮物、盛り付けとポジションがあります。このポジションもまたいで作業するときに手洗いやアルコールによる手の消毒、手袋の交換を行います。キッチンからホールに出た時、トイレに行った後、休憩から戻るときも行います。場合によっては、手が荒れる事もありますが、飲食店では当たり前の光景になります。

食中毒は、多くの人の健康被害を引き起こす事になり、発生させた店舗は営業停止になり、最悪閉店になる事もあります。主な原因は、食材の加熱や洗浄不足です。ほとんどの食中毒菌は加熱する事で死滅するのですが、空腹のあまり生焼けや茹で不足で食べてしまう事でもおこります。

食材の管理

納品による食材は、トラックから降ろされ店舗に運び込まれますが、冷凍品や冷蔵品は検品を素早く行い直ぐにしまいます。遅くても冷凍、冷蔵庫に30分以内にしまいます。店舗が営業していない無人の時間帯に納品がある場合は、配送業者によって冷蔵、冷凍庫にしまうのが通常です。

オペレーションで使用する食材は、基本的には冷蔵庫で管理されているのが前提で、オーダー毎に冷蔵庫から出して使用します。ただ、ピーク時に素早く料理を提供するために、使用する分だけ常温に置く事もあります。会社によって基準があり、出してもいい食材はピーク終了後に余ってしまった場合は破棄することも定められています。

従業員の健康管理

店舗には人がいます。働く人は健康でなくてはなりませんが、時と場合によってそうでない時もあります。風邪や流行の病気(インフルエンザ、コロナなど)体調不良が該当します。こうなってしまうと、無理に出勤させてしまうと、お客さまや他の従業員に感染してしまうリスクがあるので基本出勤はさせません。また、出勤時に体調管理チェックに触れた場合も同じです。こういった理由もあり、人員不足で営業している店舗も少なからずある事も知ってほしいです。

また、年に最低2~3回程度検便による健康管理を会社で行います。飲食店は法律を守って運営している事はわかってもらえるとありがたいです。

HACCP(ハサップ)による管理

ハサップとは、原材料の入荷から最終製品の出荷までのすべての工程で、食中毒などの危険な要因を予測・分析し、特に重要な工程を継続的に管理して安全性を確保する衛生管理の手法です。(厚生労働省HACCPページ参考)

店舗においては、出勤者の体調の記録、冷蔵庫、冷凍庫の温度管理の記録。食材の消費期限の記録。食材の加熱温度や時間が正しく管理できているかを毎日記録しています。それを保健所が定期的に店舗にチックしに来るので、これも守れなければ営業許可を出してもらえなくなる可能性もあります。

会社も、多くの店舗を管理しなければならないので、法律を違反するようなことがあれば大損害になってしまうので、店舗を任せている店長や社員には厳しい指導や教育をしています。

チェーン店にも衛生管理の教育はあるんですね!

まとめ

飲食店では、お客様に安全に食事を楽しんでもらう為に多くに事に取り組んでいます。上記に紹介した取り組みは代表的な事であり、最低限店舗で行っている事です。会社も企業なので、もうけを出さなければなりませんが、利益だけに特化するのであれば管理はずさんになるところもあります。

しかし、殆どの企業は地域密着して、地域の方々に貢献する事で利益に繋げる事を理念としています。お客様を大事にするからこそ店舗をきれいにして、安全に食事が出来る様に産地の公開やアレルギー表記、従業員の健康管理まで細かくチェックしています。

ひと昔前の【繁盛店であれば多少のずさんな管理も目をつぶる】は、令和の世の中では通用しない事です。どこに行っても看板を見てお客様から「ここは安心して食事が出来る店舗だよね」と言ってもらえることがチェーン店の最高の賞賛であり、働くひとのやりがいになる事だと思います。