飲食経歴 学生編2

前回に引き続き飲食デビューを書いていきます。

各ポジションの習得

前回の初出勤に早く仕事を覚えたいと思い、日々メキメキと仕事に没頭してきました。

習得した順番に各ポジションの説明を説明していきます。

揚場

竜田揚げ、てんぷらといった油で揚げるものをメインで行います。

2層のフライヤーがあり、新しく透明度がある油はてんぷら用てんぷらには使えない油はフライ、竜田揚げに使用します。

苦労したのはてんぷらでした。しっかりと衣を着けて、油にまっすぐに投入しないと丸まってしまうのでコツをつかむまで苦労しました。

次に行うのは、商品を大きく見せるために花衣をつけることです。

ただ上からてんぷら粉を垂らすだけでは商品が分厚くなるだけで美味しそうには見えません。イメージとしては、一滴一滴のてんぷら粉を広げて商品に着けるようにします。なので、花衣を咲かせると言うそうです。

竜田揚げ、揚げ出し豆腐は、片栗粉をしっかりつけて静かに油に投入します。注意点は、水気が無い状態で油に入れる事です。水気があると、油に投入した時に物凄くはねてしまいます。

トンカツ、エビフライはパン粉をしっかり着けないと、揚げてる途中でパン粉が剝がれてしまいショボくなるので注意が必要です。

煮方・焼き方

ここでは、コンロを使った調理を行います。

揚場からトンカツがあがってきたら、鍋に玉ねぎとたれを準備してかつ丼やかつ煮に調理したり、ブリ大根や魚の煮つけも行います。

焼き鳥を焼くのもここの仕事です。焼き鳥は、火力を注意していないと串が焼けて焼き台に落ちてしまいます

串ばかりを気にしすぎると、今度は肉が生焼けになったりと難しい所もあり、ちょうどよく焼けるようになるまで時間はかかりました。

焼き魚の調理もここでするので、ピーク時には二人がかりで作業をおこなうこともありました。

板場

ここのメイン刺身と小鉢とサラダの調理です。

小鉢とサラダを最初に教わります。この作業に慣れてきたら、今度は刺身を柵から切り出します。

柵から切り出していくのですが、一切れを基準のグラムに切り出すのが慣れるまで難しかったです。

難しい分、学べたことも多くあり、アジの三枚おろし・ぶりのさばき方など魚の加工も出来るようになりました。今でもアジを三枚おろしをスムーズにできます。

センター

このポジションは、各ポジションで出来上がった商品をお盆にセットして、ごはんやみそ汁をのせてお客様に提供するところです。

伝票に沿って、同じテーブルの商品をなるべく同時に提供出来るように、各ポジションに指示を出しながらバランスを取りながら行う指令所です。主に社員が入っていました。

仕込み・洗い場

ここの作業は、茶わん蒸しを作ったり、ごはんを炊く、洗い場の補助で洗った食器を各ポジションに補充する事、ピーク時には各ポジションのフォローを行っていて、ベテランの人が入る事が多いいです。

また、追加の仕込みなども行っていて、食材が足りなくなると走り回って作業をしていました。

大手の企業にはセントラルキッチンがあったので、袋から開ければ済む食材も多く時間もかかりませんでしたが、自分のいた店舗には無かったため、全ての食材を店舗で加工していました。

例えば、だし汁が無くなったら、寸胴にお湯を沸かして鰹節を入れて作ったり、大根おろしや大根つまを作るのも全て行っていました。

今思えば、こういった食材の加工を学べたから飲食に興味を持てたのではないかと思います。

レギュラーメンバーへ

一通りの作業を習得して、一人で一つのポジションを任されるようになりました。

自分でも必死になって仕事に取り組んでいたので、3か月で一通りは出来るようになりました。

ですが、実際のピーク時間帯に任されたポジションをこなすのは骨の折れることで、伝票がどんどん入って来る中で、周りと合わせて商品を作るのは難しいことでした。

自分のポジションに入って来る商品だけを作るだけでしたら問題ないのですが、場合によっては早すぎたり、遅すぎたりといったタイミングが重要であり、時には別のポジションのフォローに入ったりとしなくてはいけません。

このように、全体のバランスを見ながら自分のポジションを守りつつオーダーをこなす事で、自分はメキメキと成長していき、アルバイトを始めて半年を過ぎたころにはアルバイトリーダーになりました。

自分が入社した時からチーフには良くしてもらい、更にはアルバイトリーダーにも推薦してくれたので、自分でも期待に応えたい気持ちがあふれていました。

人事異動による変化

アルバイトを始めてから1年が過ぎた頃に、会社の組織変更がありました。

自分に良くしてくれたチーフは、今回の組織変更に伴い、他の店舗の店長に昇格する事になりました。

自分が学生の間は、こんなことは起こる事すら考えていませんでしたが、現実には突然起こる事で、受け入れるのに時間がかかりました。

チーフには、お世話になったので、今後も頑張って続けていく事を約束して、また一緒に仕事が出来る日が来ることを楽しみに別れを惜しみました。

新しい社員

チーフが異動するのと同時に、2人の社員が来ました。

1人は親会社に新卒から入社して3年目の社員(社員A)。もう一人は、買収された会社から異動してきた社員(社員B)です。どちらも20代中盤から後半だったと思います。

二人の社員と顔合わせをして、上手く仕事をやっていこうと思いましたが、社員Aはとにかく偉そうで横柄な態度を取る人物でした。

最初に疑問を感じたのは、社員Bに対しての態度でした。営業が上手く回らなくなると、皆の前で罵声を浴びせ周りを委縮させる事が度々ありました。

出来ない自分を人のせいにするのは問題ですね

自分から見たら、単純に社員Aの指示や作業能力がないからです。八つ当たりを受けていた社員Bは本当に気の毒でした。

社員Bはどことなく憎めない所もあり、自分とも少し気の合うところがあったので好きでしたが、社員Aはチャラくて口ばっかりのところが多くて好きではありませんでした。

衝突

社員の異動からしばらく経ったころでした。相変わらず社員Aは全体を見れずに営業が崩壊すると周りに当たり散らすといった事が続きました。

周りのメンバーも、あまりの理不尽さに嫌気がさしてきた頃に事件は起きました。

この日は日曜日、飲食では忙しい日です。社員Aがセンターをしており、相変わらずのセンスのない営業をしていて、誰が見ても営業自体回っていませんでした。

先頭の伝票の料理も30分以上かかっていました。(通常なら遅くても20分)しびれを切らした店長が、自分に営業を立て直すためにポジションを変わるように指示しました。

自分が社員Aのポジションに入り、なんとか立て直す事が出来ました。

立て直しの最中に社員Aは、他のポジションのフォローに入る事もなく仕込み場でお喋りをしていたのを忙しい最中に見ていました。

さすがにこれはないと思い自分は社員Aに「忙しい時間なのだから、話していないで全体をみるなりしてフォローをして下さい」と意見をしました。

ところが社員A は「誰に向かって言ってるんだ」と逆切れして全く悪びれもない態度でした。

さすがに自分もこれは無いと思い「あなたが回せないから店長から指示が出たのが分らないのですか?」と言い返しました。

社員Aは、「誰がやっても同じだ、お前たちの代わりに怒られ役をしたんだから有難く思え」とめちゃくちゃな事を言い返してきたので、さすがに自分も切れて、帽子を叩きつけて「だったら辞めるから、自分のケツは自分で拭け」と言って厨房をでました。

直ぐに店長が「落ち受け」と言って引き留めに来ましたが、今まで我慢してきたこともあったので、怒りは収まるどころか余計に爆発して、静止を無視して帰りました。

後日、パートのリーダーさんから辞めないでほしいと連絡はありましたが、店長や社員からは何も連絡が無いことなど納得いかなかったので、他のメンバーには申し訳無かったですが辞める事にしました。

良くしてくれたチーフとの約束は果たせなく結果になりました。こうして1年半の勤務はあっけない幕切れとなってしまいました。

次回は、その後の事について書いていきます。